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論点マップの読み方
このサイトでは、議論の構造を追うために独自記法「argmap」で作った論点マップを使っています。本ページでは、記号・色・線の意味と、ノードをクリックしたときに何が見えるかを説明します。
サンプル
以下は記法を一通り示すために用意した小さなサンプルです。ノードをクリックすると、画面の右側または下側に詳細パネルが現れます。
論点マップ
凡例
ノードID:◯◯:結論n=主結論、◯◯:中間n=中間結論、◯◯:反論n=反論(詳細は論点マップの読み方)
記号と ID の規則
各ノードには <話者>:<ローカル名> 形式の ID が振られます。話者は @speaker で宣言された記号で、たとえば強制就労議論では P=就労強制肯定派、N=就労強制否定派です。各 argmap 図の上の凡例から、その議論で使われている話者と表示名を確認できます。
ローカル名は次の慣習に従います(n は 1 から始まる連番)。
結論n:その話者の主結論(議論の終着点)。1 話者につき複数の主結論を立てられます。例:P:結論1、N:結論1中間n:中間結論(主結論を導く途中の小結論。他の結論から前提として参照される)。例:N:中間1、N:中間4反論n:反論(他の結論や反論への直接の反対意見)。例:N:反論1、P:反論2
中間結論ノードの下には ↪ 使用先: N:結論1 / N:中間2 のように、その中間結論を前提として引いている上位の結論 ID が小さく表示されます。中間結論をクリックすると、詳細パネルの「使用先」セクションでも同じ情報がタイトル付きで確認できます。
各結論・反論ノードの前提には、p1, p2, ... のローカル ID が付きます。基底前提(テキスト+信頼性)、論証前提(@ref で別の結論ノードを参照)、深さ 1 の隠れた前提が同じ番号体系で並びます。反論の「対象前提」フィールドは、対象結論の p1, p2 をそのまま参照します。
ノードの種類
argmap は議論を 2 種類のノードで構造化します。
結論
議論で達したい主張、または途中段階の中間結論。角丸ボックス。主結論は実線、中間結論は破線で描画されます。各結論ノードは「主張 + 前提群 + 推論強度」を内部に持ち、ノードを開くと前提と推論強度の詳細を確認できます。
反論
他の結論や反論への反対意見。右上が折れた付箋型の形をしています。結論ノードと同じく、反論自身も主張・前提・推論強度を持ちます。
以前のバージョンには独立した「論証ノード」がありましたが、現在は結論ノードの内部構造(前提+推論強度)として表現されています。前提を多く持つ結論を分析しやすくしたい場合は、関連する前提をまとめた中間結論を立てて @ref で参照することで、論理階層を可視化します。
色:話者の区別
各議論には複数の話者がいます。話者は宣言順に色が割り当てられ、その話者のノードはすべて同じ色で塗られます。割り当て順は、青、緑、紫、橙、桃、青緑です。
サンプルでは話者 A が青、話者 B が緑になっています。詳細パネルの左上にも同じ色のバッジが表示され、マップとの対応が分かるようにしています。
枠線の太さ:推論強度
結論・反論ノードの枠線の太さは、前提から主張への推論の強さを表します。太いほど確実度の高い推論です。
- 確実:演繹的、前提が真なら結論も必然(最も太い枠線)
- ほぼ確実:強い帰納、ほぼ確実に結論が導ける
- 蓋然的:妥当だが反例の余地のある推論
- 推測:飛躍を含む、追加前提が必要(最も細い枠線)
結論ノードの線種は推論強度に依存せず、主結論は実線、中間結論は破線で区別します。
線:エッジの種類
- 黒い実線(論証前提):参照先の結論が、参照元の結論の前提として用いられる関係(
@refで表される) - 赤い実線(前提否定):反論が結論の特定の前提を否定する関係
- 赤い破線(推論否定):反論が結論の理由付け(前提から主張への進み方)を否定する関係
ノードをクリックする
マップ上のノードをクリックすると、詳細パネルに以下が表示されます。
- 主張の本文(結論なら主張、反論なら反論本文)
- 結論の場合:前提 → 推論強度 → 使用先(中間結論のみ実体表示)の順に並びます
- 反論の場合:反論対象(
P:中間1 の前提 p1のような簡潔な表記)→ 反論種別(前提否定 / 推論否定)→ 前提 → 推論強度の順に並びます - 結論・反論の前提セクションでは、基底前提・論証前提(
@ref)・深さ 1 の隠れた前提を 1 つのリストにまとめて、p1,p2, ... の連番で表示します。基底前提は信頼性(確実 / ほぼ確実 / 蓋然的 / 推測 / 伝聞のいずれか)付き、論証前提は参照先のノード種別(中間結論など)のバッジ付き、隠れた前提の深さ 1 は[隠れ]バッジ付きです。深さ 2 以上の隠れた前提は番号を付けず、・箇条書きとしてネスト表示されます
反論は 深さ 1 の前提(結論を直接支持する明示前提、または結論を直接支持する隠れた前提)のみを対象にできます。深さ 2 以上の隠れた前提に違和感がある場合は、それがぶら下がっているより浅い前提に対する反論として表現します。
各 argmap 図の上のツールバーには ズーム(− / 等倍 / +)コントロールがあります。マップ上ではマウスホイールでカーソル位置を中心に拡大縮小、ドラッグで横・縦スクロール、モバイルではピンチでズームできます。詳細パネルの 使用先 や 反論対象 の ID、前提に含まれる @ref の参照先 ID もクリックで該当ノードへ移動します。記事本文中に出てくる N:中間6 のようなノード ID もクリック可能で、マップを画面内にスクロールしたうえで該当ノードの詳細パネルを開きます。
自然文の本文との関係
論点マップは議論の骨組みを俯瞰するためのものです。背景や問題意識を理解するには自然文の説明が必要なので、各記事ではまず自然文で議論の文脈を説明し、そのうえで論点マップを使って構造を追える形にしています。